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04 It's challenge! 「山嵜さんにチャレンジ」

2006.11.14
前回の投稿記事を見た山嵜さんから、
「ほめ過ぎ。あれじゃすごくイイ人、聖人君子みたいじゃ〜ん」とのコメントを頂きました
でも別に、イイ事書けってお願いされてるわけでなく、
実際に感じたことを書いているだけなので、前回書いたことは事実。
ただ、ウソは付いていないものの、書いていないことはあります ( 笑 ) 。
てことで今回は、前回の続き。
「ほめて置いて突き落とす」編です。
まぁ、山嵜さんに限ったことではないと思いますが、
建築家は頑固だと思います。
打ち合わせのときに提示された図面に対し、
「ここをこうして欲しい」、「ここはこうだといいなぁ」等といっても、
なかなか言うこと聞いてくれません。
打ち合わせでいろいろと注文をつけて帰り、
「どんな風に変ったかな?」と期待して次回の打ち合わせに臨むと、
「あれれ?」。
10のうち、6〜7は希望に沿って変ってるんですが、
残りは保留になっていたり、スルーされて変更されてなかったりする感じです。
むむむむむぅ。
でもまあ、これは、元の設計ってのは、構造的なことや機能的なことやデザイン的なこと、
いろいろなことを考えに考えた上でできたものですからね。
そこだけ変更するわけには行かない、そこを変更しちゃうと他のいろいろにも影響しちゃう、
ってことだろうな、と予想は付きます。
実際、もう一度よーく考えてみると、元の設計は、
こちらが「こうして欲しい」と設計着手時に出した希望を実現するためのものだったり。
クライアントの言うことをなんでもかんでも聞いて設計変更していたら、
それは町の工務店の設計と変らなくなっちゃいますもんね。
それじゃ、チグハグな家になっちゃいそうです。
工務店ではなく、建築家に依頼したのも、家にこだわり、
デザインや機能、コスト等、いろいろな面で調和の取れた家が欲しいからですもんね。
なので、こちらとしても、こちらの言うがままに設計をコロコロ変えるようじゃ、
ホントは困っちゃうわけなんです。
でも!
出された設計を鵜呑みにする必要はありません。
なにせ、山嵜さんの家でもなく、山嵜さんのための作品でもなく、自分たちの家なんですから。
なので、山嵜さんとは戦わなければナリマセヌ、決死の覚悟で ( 笑 ) 。
ただ、あーしたい、こーしたい、と子供のように駄々をこねるのではなく、
こちらも理論武装が必要です。
といっても、難しい理論は不要。
なぜ「あーしたい」のか、その理由を明確にして、
山嵜さんも納得するように意見を出せばいいんです。
そのために家族でいろいろ話し合いました。
その「あーしたい」は、絶対必要なものなのか?
それとも「できればこうしたい」程度なのか?単なる「願望」なのか?
そうやって話していると、いろいろ見えてくることもあるんですよね。
自分たちの考えの浅はかさ。逆に、自分たちが、自分たちの人生に何を重要視しているのか、
どういう家族でありたいのかがわかってきたこともありました。
結果、家族で出す結論は、
「やっぱ、山嵜さんの提案どおりでいいじゃん」てのが半分、
「いや、やっぱり変えてもらおう」ってのが半分て感じかな?
そうやって理論武装して打ち合わせに臨み、
「これこれこうだから、ウチの家族はこういう風に暮らしたいから、ここをこう変えてくれ」
って話をすると、その次のときには、設計、キチンと変えてきてくれます。
しかも、自分達が考えていた以上に。「おおっ、そう来たか!」って。
思い切って建築家 · 山嵜さんにお願いした我が家ですが、
設計開始後も、山嵜さんへのチャレンジが続いたのでありました。
ちなみに、こうやって山嵜さんへのチャレンジをして得た我が家ですが、
それでも「ここは山嵜さんに負けたな、押し切られたな」という部分が数箇所あります。
そこは、自分達のがんばりが足らなかったなー、と。
と、いうことで、山嵜さん、頑固者です。
覚悟あれ〜。
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