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05 It's challenge!  「ガレージと家族とわたし」

2007.01.16
我が家の重要なテーマの一つにガレージがあります。
私の趣味はクルマとバイク。
クルマとバイク ( と家族 ) のために仕事をしている、
クルマとバイク ( と家族 ) があるから、仕事のモチベーションが維持できている、
といっても過言じゃないくらいのクルマ · バイク馬鹿です。
家族の前で大きな声じゃ言えませんが、
家を建てるときの自分自身のコンセプトは
「ガレージ付の家」じゃなく、「家付のガレージ」でした。
結果、実現したガレージはガラス張りで、廊下からガレージが一望。
ガレージとリビングは開閉自在な大きなスライド扉で仕切られて、
スライド扉を開けばガレージとリビングが完全につながった空間になります。
クルマ · バイク仲間も「うらやましい」と言いますが、
このような空間の実現、ご想像通り、非常に難しいです。
巷の男性向け雑誌でも、ガレージに限らず、
趣味の空間や書斎のある家がしょっちゅう取り上げられていますが、
クルマやバイクの趣味に限らず、大体において男の趣味は、
家族からしたら、ただのワガママですからね。
ガレージや趣味空間、書斎に家族がもろ手を挙げて賛成している家庭なんて
ほとんど無いと思います。
男の趣味に完全な理解を示すスバラシイ奥さんをもらうか、
男が何をしようと家族が何も言わないほど家庭内での絶対的地位を確保するか、
家族から文句が出ないように、十分過ぎるものを与えるほどリッチになるか、
でもしないと、男の趣味=男のワガママを突き通すのは難しいと思います。
おっと、最近のCMで、
「お父さんに書斎を作ってあげようよ」ってなのがありましたね。
謙虚に家族に尽くし、同情を引き出すって手もありそうですね。
我が家も、ガレージを実現するのは大変な道のりでした。
我が家の場合は、日頃のワタシの人徳によるもの。
なーんてワケはさらさらなく、ひたすらひたすら妻のおかげです。
といっても、決して「理解ある妻」というだけでなく、
「あきれ果て、諦めた妻」というのが実情だと思いますが。
以前、賃貸に住んでいた頃の私の悩みは、
趣味のクルマ · バイクに乗れない、イジレない、というもの。
家族を放って好き勝手にクルマやバイクに乗りに行くほど、人徳も勇気もない私。
乗りたい、けど乗れない。
たまにツーリングに出ても、正直、とても心苦しかったんです。
乗りに行くとなれば、箱根や伊豆に行きたい。
となれば、以前住んでいた千葉からだと半日〜1日コース。
貴重な休日、そんなんでしょっちゅう家を空けていたら、
大好きな子供とも遊べないし、いずれ帰宅すると離婚届が玄関にという恐怖も。
洗車一つ、メンテナンス一つするにも、
クルマ · バイク趣味の人は時間かかりますからねぇ。
玄関の前であっても、戸が閉まっていれば家の中にいる家族とは切り離されています。
洗車に半日かけようものなら、家族からしたら、
それは半日家族を放ってパチンコに行っているのとなんの変りもなし。
せっかくクルマやバイクを持っていても、乗れず、いじれずというジレンマが、
かえってストレスにもなっていたのでありました。
軽井沢というロケーションも、家族の環境が一番大きな理由ですが、
「もっと乗りたい」というのが理由の一つです。
軽井沢なら、休日早起きして、ひとっ走り。
家族が起きる頃には家に戻り、朝食を、なんてのが実現できます。
家を建てるにあたり、山嵜さんにお願いしたのも、「ガレージと家族とのつながり」です。
作業をしていても、家の中の家族から姿が見えるよう、絶対にビルトインガレージ。
しかも、居住空間からガレージが見えるように、と。
結果得られたのは、前述のガラス張りのガレージというなんとも贅沢な空間なのですが、
この空間には、そういった大きな理由があったのです。
おかげで今は、休日の朝、ひとっ走りした後は、起きてきた子供と朝風呂&朝食。
クルマをいじっていると、子供がガレージに来てクルマの周りで遊んでいます。
家の中で片付けをしている妻も、私の様子を見て、昼食の準備をしたり出かける用意をしたり。
家族との関わりを持ちつつ、いい具合に趣味を楽しむことができるようになったのでありました。
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